ドブクロス織機 JHON COOPER ヴィンテージ　スーツ生地　2.75m

ヴィンテージ生地と言えば聞こえは良いですが所詮は先人が使用を躊躇った売残りに過ぎませんので、今を生きる我々としては何らかの理由がないと使う気になれないのは当然です。こちらはその理由つきの逸品で、ドブクロス織機で有名なジョンクーパーが、それをわざわざ耳に織り込むまでもなくさも当たり前に使役していた時代の生地です。チャコールグレー、マルチストライプです。ドブクロスの解説は以下引用をご参照ください。英国が誇る老舗ブランドのジョンクーパーが創出するドブクロス生地。その風合いは大変柔らかく、類まれなる気品を持ち合わせています。「ドブクロス」とは服地を織る織機のことですが、産業革命当時の英国織物産業の中心地であったDOBCROSS村で発明された織機なのでドブクロス織機と呼ばれるようになりました。この織機は１９６０年あたりまで生産されてきましたが、技術革新により、より高速な織機に取って代わられて行きました。現在の「レピア式織機」や「エアジェット式織機」は緯糸（ヨコ糸）を高速に通すのが特徴で、特にエアジェット式では一分間に約６００回通すことが可能となりました。この高速で緯糸を通す作業は、織機の稼動仕様そのものを変えました。高速で機械を動かすため、特に経糸（タテ糸）をコントロールする綜絖（そうこう）という個所の稼動域がより小さくなっていきました。その結果緯糸のテンション（張り）が強くかかり、緯糸をはさむ経糸も上から押さえつけるようになったため、ウールが持つ柔らかで自然な風合いが殺されていったのです。これに対しドブクロス織機は従来通り木製のシャットルで緯糸を通し、そのスピードは一分間に約１００回。一日に約４０メートルしか織る事が出来ません。しかしこの熟練職人が木製シャトルを使いゆとりを持って丁寧に織り込んだドブクロス生地が持つ本来の優しい風合いは、生産性のみを追求した現在の織機では到底真似る事は出来ません。ちなみに、「ドブクロス」の名称は現在ジョンクーパーを傘下に収めるHollad u0026 Sherry社の登録商標となっており、14台のドブクロス織機のみが現存しています。上質な原毛を気の遠くなるほど手間を掛けてゆっくりと織られた当時の英国服地は、現在の機械に頼った技術では再現できないほど高いクォリティを誇ります。ゼニア　ロロピアーナ　スキャバル　ドーメル　カシミヤ　バルベラ